2020年8月10日月曜日

全統模試成績表の活用法(後半)







こんにちは!校舎長の西村です。
 
本日は模試成績表の活用についての続きです。
これは前半で使用した生徒の成績表の裏面です。
模試成績表が返ってきたらこの面までしっかり確認してるよ!という方は中々やりますね!私は高校3年間で一度もちゃんと見たことがありませんでした(笑)

 

今回は特に数学の話に絞ってお話をしたいと思います。

数学は大問毎に分野がしっかりと分かれているので分かりやすいです。
まず1番左側にある数字ですが、これは実際に受験者が取った分野ごとの得点です。

これは大丈夫ですね。

 

次に注目するのはその右に書いてある数字です。これは全国平均点ですね。この生徒の数学ⅠAの点数は決して悪くありませんが、黄色のマーカーを引いている集合と命題の範囲をご覧ください。得点が10点中2点で、全国平均が6.6点ですのでこの分野だけが大きく全国平均点に負けていることが分かります。

そう、この生徒は次回の模試までに集合と命題分野の復習に力を入れるべきなんです。

 

全国平均点に届いていない分野は(序盤で計算ミスをして後の問題全部に影響した場合も考えられますが)教科書の基本事項が抜けている場合が多いです。

 

マナビス生で数学を受講されている方であればレベル1やレベル2の集合と命題の範囲を復習し、そうでない方は教科書の基本公式をおさらいしたり、例題の解きなおしをしてみましょう。現状全国平均点を下回っている状態ですので、いきなり応用問題にも取り掛かって満点を狙いに行く必要はありません。まずはみんなが解ける基本問題が解けることが重要です。

 

理由はあくまで私の経験則でしかないのですが、「全国平均点を下回る分野が1つでもあるかどうかが偏差値59以下と60以上の境目」だと思っています。

念のため今の生徒の模試成績表を参照してみましたが、ほぼ当てはまっていました。

偏差値60と言うと、学部によりますが大阪市立大や神戸大レベルの偏差値です。

もしこういった大学を目指されている方であれば「難問を解く高い学力」よりも

「みんなが解ける基本事項を抜け漏れなく確実に押さえる」基礎固めを優先することが近道だと思っています。その上で難問も解けるようになればさらに上の成績も目指せるようになりますね。

 

 

 

全国平均点の次に注目するのが、右端に書いてある1志望校の1段階上の判定の生徒の平均点です。この生徒の成績表の場合は大阪大学外国語学部中国語学科のD判定だった生徒の平均点ですね。

 

こちらは同じ大学の同じ学科を目指す生徒の成績ですのでしっかり見ていきます。
あまり目に入りにくい位置に書いてありますので、よく見ないと存在にすら気づかない方もいるかもしれませんね。

 

この生徒と1つ上の判定の生徒の成績を比べていくと、なんと勝っている分野のほうが多いですね。しかし先ほどもお話しした集合と命題で5.5点も差が付いているので合計点数では負けてしまっています。

さらに、数と式・図形と計量でもマイナスが出ていますね。では「阪大志望の生徒と戦っていくにはここの強化も必要だな」ということが分かります。こうして色んな項目を見ることで何を重点的にやっていくべきなのかが分かってくるのです。

 

ちなみに、私の場合は校内平均点はあまり指導では注目しません。受験で戦う相手は全国の生徒であり、同じ高校の生徒だけではないということが理由です。

では「真ん中の同じ学力レベル層との学力比較はどう使うの?」ということですが、全国平均点や1段階上の生徒平均の2つとほぼ同じ使い方です。

 

例えば現段階ではD判定の人との差が激しく、全分野が大きくマイナスになっていた場合などは結局まずどこをやるべきなのか分かりにくいですよね。そういった場合にはまず同じ学力層との比較をしてどこをやっていくべきか指導したりします。身も蓋もありませんがケースバイケースですね。

 

いかがでしたでしょうか。今回は「自分がどこができていてどこができていないのか」ということが分かりやすい数学についてお話しさせていただきましたが、他の科目についてはもっと詳細に見ていく必要があるものもあるので難易度が上がります。

この生徒の例で言えば英語は第5問の点数が全国平均点を下回っています。第5問は長文問題ですので、「では今後は長文問題が課題か」というと、実は同じく長文問題である

6問は1段階上の生徒よりも点数が取れています。

※上までスクロールするのが大変だと思うのでもう一度同じ画像を貼りますね


 

こういった場合はどの問題でどういう間違いをしたのかということを設問ごとに分析して、今後の対策をしていく必要があります。しかし、その判断にはそれなりの経験がいりますし、なにより時間がかかってめんどくさいです。

何が言いたいのかと申しますと・・・そう、実際にプロに聞くのが早いですよということです!河合塾マナビスに入会するメリットは質の良い授業が受けられるということはもちろんですが、模試の結果などから「これから自分は何を勉強するべきなのか」という指導が受けられることも非常に大きなメリットだと思います。

 

河内長野校は河合塾マナビスの中では比較的小規模校になりますので、担任である私も捕まりやすいのでどんどん聞いてください!聞かれなくても勝手に喋りますけども(笑)

 

1つご注意点としましては、こちらはあくまで私が先輩から教えていただいたことや、自身の高校時代や過去の生徒への指導の成功、失敗体験で学んだことからあくまで私が最善だと考えた指導であり、これが唯一の正解ではありませんし、他のマナビスのスタッフが全く同じ指導をするというものではございません。

また、生徒一人ひとりの学力や状況に応じて指導の仕方も変わりますのでご了承ください。

 

それでは、次回は「全統模試E判定なら志望校合格は厳しい?」ということについてお話しさせていただきたいと思います。